緑溢れる和風デザインリフォーム

緑溢れる和風デザインリフォーム

今ここにあるものを活かし必要なものを必要な分だけ加える。
わたしたちの生活や人生において最も理想的で、だけどなかなか実現できない暮らしの中の教訓のように思います。

欲しいものをてんこ盛にすれば気持ちは満足するけれど、どこか落ち着かなくて心の充足は得られません。
足し算と引き算を考えながら理想を体現していくことは、庭づくりの大切なプロセスです。

庭を「使う」のか「見る」のかを考えたとき、家の中に居ても緑を感じることができる空間というのがひとつのキーワードとなり、庭にコレクトされていた数々のモミジと御影石のピンコロを活用し小さな和風の築山空間を演出しました。和風の雰囲気をより感じられるように加えたのは、苔と灯篭と水鉢そして少しの低木たち。
今あるものに最低限のアクセントを加えて、忙しい生活の中にふと目を向けると現れる 心が癒され目で楽しめる風景をここにつくりました。

before

お客さまご自身でピンコロ石を使って設えた花壇は、規則正しくとても上手につくられていましたが、もっと動きのあるモミジを活かした和風の空間にしたいとのご要望をいただきリフォームすることに。

ご主人がコレクトして植えられていたモミジは、なんと5本。イロハモミジやシダレモミジなど、お手持ちのモミジがより伸び伸びと成長し美しく見える配置となるように、形を整えながら移植することになりました。

まだ幼いお子さまたちが自由に遊び走り回れるように、土の部分は一部残して将来的にカスタムできる場所として残します。

after

ピンコロ石の花壇だった場所は、盛土をつくって起伏を付け庭全体に立体感を加えました。既存のモミジたちは、前後左右と配置をずらしながら、それぞれの顔がいちばん素敵に見えるよう移植を行いました。

和風のテイストを加えるため、向原産の自然石と手水鉢そして小さな灯篭をポイントとして設置しました。盛土に張った苔が石に蔓延って風合いが増す様子を想像するだけで、今から楽しみで仕方ありません。

全体のバランスを取りながら、低木や下草で補植して完成です。苔の管理は手が掛かりますが、その分景観に趣を与え心に癒しをもたらす和風の空間を演出してくれます。

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