外構のアイデアは街並みの中に

広島は一昨日から昨日の午前中にかけて雨が降り続き、河川の増水や道路の冠水を心配する日々でした。午後からは嘘のように天候が回復し、予定していた友人との食事に出かけて沈みかけた気持ちもなんとか持ち上がりました。

私の友人関係は極狭(とても狭いの意)ですが、小学生の時から長い年数を共にしてきた友人たちは、趣味嗜好が全然違っていても幼少期に同じ風景の中で育ったというだけで妙な信頼と親近感が湧き安心できる存在。

家族や友人と『風景』を共有することで生まれる絆や信頼や結束というものが、人間関係において大いに存在しているのかもしれませんね。

私たちの生活は常にあらゆる『風景』の中にあって、その道を通るとよぎる思い出やふと香った匂いで思い出す景色とか出掛けた先で脳裏に浮かぶ人とか、人それぞれに記憶とリンクする『風景』があるのではないかと思います。

私にとって秋になると香るキンモクセイの匂いは、小学生の時の通学路の風景とリンクする記憶。

お客さまと外構や庭のコンセプトを決めていく中で、ご夫婦やご家族の思い出の『風景』を取り入れたいというご要望が出ることがあります。

「新婚旅行で訪れた外国のような雰囲気を演出したい」

「幼少期を過ごした実家に植えてあった樹木を庭に植えたい」

など、日常の中でも身近に感じたいと思う『風景』の記憶が、お客さまそれぞれに溢れていることに感動する機会が多くあります!

そんな風にお客さまごとに存在する思い出の『風景』を伺うとき、そのイメージが私自身の頭にもスッと浮かび少しでも気持ちを共有できるように、デザインのアイデアは日々行く先々での街並みをインプットするようにしています。

外構や庭に限らず、デザインのアイデアは今やそこら中に溢れていて、正直足を使わずともインターネットや紙面でいくらでも得ることができます…

ただ、そこに空気感や香りは存在しておらず、美しく整った写真とクリーンな言葉で綴られた文章で視覚的に捉えることしかできません。

綺麗ではないけど風合いを感じる雰囲気・ありふれた景観だけど落ち着く空気感・一見雑多に見えるけど洒落た空間、そんな風に表面だけでは感じ取れないものを実際に街並みを歩くことで吸収する感覚を大切にしています。

最近行ったところでは、尾道の街並みがとても居心地が良くて庭のデザインの参考にしたい部分が沢山ありました♪

通りの道が無機質なアスファルトやコンクリートではなく、道全体に石張りが施してあり素材と経年の重厚感を感じました。

店舗の入り口にも参考になるポイントが沢山。無造作に付けられたかのような可愛い照明や、さり気ない字体の控えめな看板も外構デザインに取り入れやすいアイテムです。

商店街の雰囲気は無条件にテンションが上がります!(私だけだろうか…)商店街は、レトロや古民家風なテイストにマッチさせるときぜひ参考にしたい場所。土間の床とか格子のガラスドアとか、味があって歴史を感じる仕様です。

一見なんの参考にもならないように感じる路地も、建物ごとに異なる勝手口のステップやスロープだったり、街灯のレアなフォルムだったり、看板のフォントだったり面白いものが沢山あります。

神社では、立派な自然石を直に感じたり樹木の癒し効果を改めて実感するのにも最適な場所。心を清めると同時に、素材の良さや石に蔓延った苔を堪能してお参りしてきました。

こんな風に特別な場所に限らず、スーパーへ行く道すがらとか夕方のウォーキングもどきの徘徊時など日常の些細なところでも、街の風景を感じることを大事に過ごしています。

こればっかりは意識的にというよりは習慣に近いものですが、こんな何気ない毎日の習慣がお客さまの思い出の『風景』とリンクすると、自分が想像する以上に嬉しくて興奮するんですよね!!変態かな?

”外構のアイデアは日常の中に”

「いいな」「好きだな」と思う風景や景色を見つけたら、ぜひ外構や庭のデザインの参考にしてみてくださいね。私も引き出しに入れまくった街並みのアイデアを、あらゆるデザインに活かしアウトプットしていきます☺

~余談~

昨夜はシャンプーと間違えてボディーソープで髪を洗っておりまして・・・香りで気付けよって話なんですけど、洗い終わって髪がキシキシなのを感じるまで異変に気付かなかったんですよね💦

こんな人が「キンモクセイの香り」とか言ってて大丈夫?

って言わないでください!お願いします!大丈夫です!(/ω\)

目次